MP4ファイルのアスペクト比の指定方法


アスペクト比の指定にはSample Aspect Ratio(SAR)か、またはPixel Aspect Ratio(PAR)を指定する必要があります。x264ではSAR、MP4BoxではPARをそれぞれ指定することができます。PS3ではどちらの指定も反映されます。

x264でアスペクト比を指定する場合

x264でアスペクト比を指定するには、x264のオプション--sarを指定します。元動画の解像度が704x480で、出力のアスペクト比が16:9の動画を作成したい場合は次のようになります。

x264.exe --level 4.2 -p 20 --cqm jvt -b 2 --sar 40:33 -o "output.mp4" --threads auto --progress "infile.avs"

MP4Boxでアスペクト比を指定する場合

MP4Boxでは次のようになります。

MP4Box.exe -add "output.mp4":par=40:33 -new "output_par.mp4"

x264でSARを指定していれば、ここでPARを指定する必要もありませんが、別に指定しても問題はありません。

ピクセル比の求め方

SARやPARの指定には、よく40:33とか10:11という数字が見られます。一応なんでこんな数字になるか説明したいと思います。

元動画のアスペクト比がMx:Myのとき、出力の画面比がSx:Syの場合にどうすればよいかというと、1ドットのピクセルの比率を変更してSx:Syを実現します。

ピクセル比が1:1であればMx:My=Sx:Syになります。これを正方ピクセルと言います。

ピクセル比をx:yとしたとき、これが1:1ではない場合を非正方ピクセルと言い、次の式が成り立ちます。


Mx・x : My・y = Sx : Sy
(・は掛け算)


これを解くと次のようになります。


Mx・x : My・y = Sx : Sy
Sx・My・y = Sy・Mx・x
y / x = Sy・Mx / Sx・My


上記で得られた式に元動画のサイズを704x480、出力のアスペクト比を16:9としたとき、これを代入すると下記の解答が得られます。


y / x = 9・704 / 16・480
y / x = 33 / 40
よって、
x = 40
y = 33


ということで、ピクセル比(PAR)=40:33が得られました。

肝心の704x480は何?という説明が抜けていることに気づきましたが、NTSCとDVDの仕組みをそれなりにしないといけないのでここでは割愛します。NTSCについてはすみませんが別途調べてください。

しかし、一々計算するのも面倒なので下記にPARの一覧を書いておきます。
  • 704x480 → 16:9 PAR=40:33
  • 704x480 → 4:3  PAR=10:11
  • 3:2 → 16:9 PAR=32:27
  • 3:2 → 4:3  PAR=8:9
  • まだ未完成です...


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(更新日:2007/9/12)